作品紹介 懲戒解雇／徳間文庫 正義感に燃える合繊メーカーのトーヨー化成企画部課長の森雄造が社内不正を正すために井川常務を含む首謀者である北見社長や藤本副社長に戦いを挑む物語。 その不正とは、香港トーヨーを設立し、闇資金を隠していたこと。通常、いくら不正を知ったとしても会社上層部を相手に挑めば、組織により左遷されたりして抹殺されるのが世の常、サラリーマンの常。森は懲戒解雇まで追い詰められることになる。 しかし、東大卒のエリート課長は、周りの若手や恩師の東大教授、人事部の友人を味方につけて背水の陣で戦い続ける。そしてついに、地位保全仮処分申請書を東京地裁に提出。窮鼠猫を噛む、とは正にこのこと。 新聞社に嗅ぎつけられて、広報部は蜂の巣を突かれた様な有様。 この様に、我々サラリーマンの出来ないことを肩代わりに行ってくれているという錯覚になり、爽快感を味わえる。 結末は、勝利を勝ち取るのだが、どこにでもありそうな、いや、必ずある会社員の人間模様がここにある。 高杉先生の世界をご堪能下さい。 それでは、また、カニカニサイト　カニカニまっちゃんのサラリーマン遊泳書籍紹介所でお会いいたしましょう。